四柱推命は、古代中国から伝わる占術で、紀元前403年~鬼谷子が干支による陰陽五行の
原理を体系化し四柱推命などの基礎を築いた伝説的人物とされています。
天地の森羅万象は、天地を生成する道、即ち一定の法則に支配されているとし、自己の意を
貫くには相手の動静変化を知るのが肝要であると説きました。
それから徐子平が日干を中心とする現在の推命の原型を作ったとされています。
「子平」の名前の由来は、水が水平を旨とすることにより、五行の平準化を推命学が最も
重んじることより名づけました。
後に、徐升により「淵海子平」の書を著しています。
その後、萬民英による「三命通會」、劉伯温による「滴天髄」があります。
「淵海子平」「滴天髄」は推命学の双璧とされています。
四柱推命の陰陽五行論は自然認識の始まり
陰陽五行論とは、天地自然の摂理と、人との関わりから人の命運を論じるものです。
太陽は、毎日必ず東から昇り、西へ沈む、四季はそれぞれ、巡ってきます。
天と地という概念には、地球が自転による日周変化、地球の公転による四季の変化、
月の満ち欠け、天候、干ばつといったすべての自然現象が含まれており、森羅万象は
五行の返遷の影響を受け、人もまたその影響下にあると考えられています。
そしてその根源的作用を記述する方法として陰陽五行論が創られました。
そして人が生まれた瞬間を自然の周期とのせめぎ合いの始まりとして重視し、
その誕生という起点を元とし自然の周期的変化が、その人の身体および精神活動、
さらには運命という時間軸上の変遷にどのように影響しているかを認識する方法です。
陰陽思想とは
陰陽とは、物は孤立して存在するのではなく必ず相対する性状を備えたものと対になって存在しているという哲学理念です。
自然界のあらゆるものは、陰と陽の相対するものから成り立っており、天地、万物すべてがこの
二元素に分かれるという考え方です。
天と地、太陽と月、動と静、明と暗、表があれば裏というように全く相反するものを陰と陽に分け、
お互いに補い合って成立しているという考え方です。
陽は、総じて力強く固くまた、勢いがあって加速度がついているいるような状態に対応し、
陰は、弱々しく減衰的である意味では柔軟性がある状態に対応する。
そのため陽は男性、陰は女性に例えられることが多い。
事象における五行について
五行とは、木火土金水という「天」と「地」からもたらされる五つの作用の総称である。
五行という名称は、「五氣流行」つまり「五つの氣が流れ行る」がその語源で、五つの順次めぐる要素があってこの世に存在するすべての物は五行の「気」を受けそして、人も、もちろん五行のめぐりの中で生き、生活していると考えた。
また、木と聞くと、ほとんどの方は樹木を連想することと思いますが、五行において木の意味することは樹木そのものではないことを理解しておく必要があります。
五行は四季の循環の中における森羅万象の性状、特質を極限まで単純化し、五つに分類化したものであるから木に樹木の象意は含まれているが、そのものではないのです。
水は、実際の水のように、その形が容器に左右されるとか、常に表面は水平を保つとかという意味であり飲む水ではないのです。
このことは火、土、金、においても同様です。
書經の洪範篇より、五行は一に曰く水、二に曰く火、三に曰く、木、四に曰く、金五に曰く土。
水は潤下といい、火は、炎上といい、木は曲直といい、金は従革といい、土はここに稼穡する。
下記にまとめてみましたが、これはほんの一部です。
他に季節・方位・五色・五情・五根・5主・五感・元素・心理等まだまだあります。
木について
「木」の気が多い場合、その性質は直にして仁心を抱くと言われます。
人に暖かさを与えるやさしさがあります。
- 作用 曲直:地にある木に曲がったり真っ直ぐとなったりしないものはないこと
- 五味 酸味
- 五臓 肝臓
- 五附 胆
火について
「火」の気が多い場合、カッときやすく猛烈ですが、礼節を尊ぶと言われます。
派手さがどうしても出てしまいます。
- 作用 炎上: 光輝を揚げ、盛夏にあり、気が極まり上ること
- 五味 苦味
- 五臓 心臓
- 五腑 小腸
土について
「土」の気が多い場合、寛大で和と信を重んじると言われます。
人を育み面倒を見るという意味になります。
- 作用 稼穡:種をまくことを稼と言い、収穫することを穡といい、万物が土を貫き、生えてくることから言われる
- 五味 甘味
- 五臓 脾臓
- 五腑 胃
金について
「金」の気が多い場合、少し神経質な面がありますが、剛毅果断で義を重んじると言われます。
- 作用 従革:革があらたまるの意で規範に従いあらたまり形があらたまって器をなすこと
- 五味 辛味
- 五臓 肺臓
- 五腑 大腸
水について
「水」の気が多い場合、冷静沈着で知恵があると言われます。冷めた感じでクール。
- 作用 潤下:水が高いところから低いところへと流れ窪みに従って下っていくこと
- 五味 鹹味
- 五臓 腎臓
- 五腑 膀胱
最後に
「五行大儀」には、「行が五というのは、万物多しといえども、数は五を過ぎざるは明らかである」
とあって、世の中は一見複雑に見えるが、よくよく観察すると五つの基本要素があればそのすべてを記述することができると言われています。
この記事は、小山内彰 著「命運を推す」を参考にしています。
これは、初めの一歩です。とても奥が深いです。
この五行のバランスをみて、病気の判断材料になります。
※「五行推命学」とは、東洋哲学の根本原理である「陰陽五行の原理」に基づいてその人の性格や
命運等を推断してゆく運命学の総称です。狭義には、高木乗・安田靖先生の流れをくみ
「安田式・五行図」を用いて推命していく「四柱推命学」のことです。